書評

世紀の相場師ジェシー・リバモア/書評

真剣にトレードをすると決意してから、最初に買った本

いい加減トレードから卒業し、トレードを「仕事」として取り組もうと決めてからはじめて買った本です。

 
20世紀の稀代の相場師、ジェシー・リバモアの生涯を一冊にまとめています。

舞台はアメリカでインターネットのなかった時代の話です。

1世紀ほど昔で海外、しかも今のテクノロジーの発達した現代日本にはもう参考にならない、と思う方もいるかもしれません。

 
しかし、この本は「株取引の本質」が書かれてあります。

 
また、1929年10月の起きた「ウォール街大暴落」の記事などは鬼気迫るものがあり、必見の内容です。

ジェシー・リバモアの少年時代

1877年7月にアメリカで生を受けたリバモアは、貧しい農夫の父親と愛情深い母親のもとで育てられました。

昔から頭脳明晰で頭がよく、その中でも算数が抜群の出来の良さでした。

 
そんなリバモアは小さいころから農作業ではこの過酷な現実からは逃れることはできない、と理解していました。

 
14歳になると学校を辞めさせられ、農作業につかされますが家出して自活の道を歩んでいきます。

その後、ボストンでチョーク・ボーイの仕事をはじめ相場の世界に飛び込みました。

 
ここまでの人生を見るだけでも、世の中の仕組みをいち早く理解する頭脳の明晰さが光ります。

 
しかし、頭ではわかっていても実際に行動に移すことは容易ではありません。

実際、リバモアは

頭の使い方しだいで成功や富、名声が得られるわけで、肉体の頑張りではいかんともし難いことを見抜いていた。さらに、頼りになるのは行動であって言葉でないことも明確に理解していた

ということを14歳の時に理解していました。

そんなリバモアだからこそ未来のない地元に残り、親の跡を継ぐということは考えられなかったのでしょう。

市場に怒りをぶつけない

チョーク・ボーイとして働きつつ、独自の株取引について学びを重ねていきます。

バケット・ショップと呼ばれる取引所でトレードをはじめ、利益を出し始めた彼は自分の相場理論と売買手法でさらに元手を増やし続けます。

ボストンを後にする頃、損失を出すことが数回あったため原因究明をしたのですが、これは私も参考になる部分がたくさんありました。

 
その中のひとつが「市場に対して怒りをぶつけることはしない」ということです。

 
トレードは誰にもコントロールをすることはできず、常に予測不能です。

そのため予期せぬ事態が起きることもしばしばあります。

そんなときは「市場が悪い」や「銘柄が悪い」、「地合いが悪い」などと責任転嫁をしがちですが、株価がすべてと疑わないリバモアは過ちから学ぼうとしていました。

 
感情のコントロールが出来ていて、なおかつ学び続ける姿勢は私も目標にしていることです。

それを誰から教わるわけでもなく実行できるということは凄いことです。

自分のルールを守る

生涯とんでもない金額を稼いだリバモアですが、生涯で4度の破産を経験しています。

3度目の破産はコットン・キングと呼ばれたパーシー・トーマスの誘いでコットン相場に手を出し、莫大な負債を抱えました。

ここでもリバモアはひとつの教訓を得ます。

 
それは「自分のルールを守れ」ということです。

 
コットン・キングはコットン市場に対して膨大な知識の蓄積だけでなく、最新情報の取得など、説得力のあるノウハウを提供できる人物でした。

 
そのため、彼を盲目的に信用してしまい自分の決めたルールを破って、最終的には270万ドルもの損失で取引を終えることになりました。

 
トレードにおいても様々な情報があふれかえっています。

安心を求めるがあまり、他人の情報にのってしまえば稼げるのではないか、と思うかもしれません。

 
しかし、トレードは期待値にエッジのあるルールを守り実行していくゲームです。

 
他人の口車にのってしまうと、何を信じればいいか、どこで損切ればいいかなどがわからなくなってしまいます。

そのため後戻りできなくなってしまい、最終的には大きな損失になってしまう可能性があります。

 
損失は誰のせいにもできません。

 
判断し、実行するのは最終的には自分です。

 
リバモアはコットン・キングに損失に対しての怒りの矛先を向けませんでした。

破産という大きな代償と引き換えに、教訓をまたひとつ得たのです。

阿鼻叫喚のウォール街大暴落

アメリカの景気は最高潮で経済環境は誰が見ても順風満帆だった1929年。

 
買えば儲かるかの如く、小金を持った一般庶民が参加するというゲームになっていました。

 
一般庶民がことごとく儲かるというバブル市場は必ず崩壊します。

この市場崩壊時、いわゆる「ウォール街大暴落」が起こってからのアメリカはすさまじい様子だったようです。

勤め先の破産を知って心臓発作に見舞われる者、絶望してホテルの窓から身を投げる投資家、室内の窓を固く目張りし、ガスの元栓を開く者、服毒する者、拳銃で頭を撃ち抜く者-無残な死が世間を一層暗くした。

リバモアは崩壊前から空売りをしていたので、莫大な利益を手にすることとなりました。

日本にもバブル経済の崩壊があり、株長者が一転して破産をする、ということがありました。

 
歴史は繰り返します。

 
それは人間の本質が変わらないからです。

まとめ

第一章から第十五章まで、リバモアの人生を辿っていきます。

その中でも「第五章 パーム・ビーチでの豪遊」と「第十二章 リバモアのルール」が参考になりました。

 
この本を読んで考えさせられることで印象に残ったのは、成功しても幸せになるとは限らない、ということです。

 
お金持ちになれば物質的な豊かさは得られますが、精神的な豊かさは比例しません。

リバモア自身は63歳の時に自殺をしています。

晩年は何もかもうまく行かずに失意の元での最期だったそうです。

 
まだ成功もしていない私ですが、トレードの先に何を求めるかを明確にしておかないと、「本当の幸福」は得られないかもしれないと考えるきっかけになりました。

 
真剣なトレーダーは必読の一冊です。

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