
役職「なし」を選んだ道のり
私は社会人として働きだしてから十数年が経ちました。
それくらい働けばそこそこの役職についていてもおかしくありません。
しかし今の私は役職は「なし」です。
それは意図的に今の状況を作りました。
なぜそんなことをしたのかというのにはいくつかの理由があります。
会社をやめたら役職は残らない
会社にいる間は役職という肩書きが通用します。
しかし、それは在職している間の一時的なものです。
ここではそう考えるようになった私の体験談をもとに話を進めていきます。
新卒で入社したての私はやる気に満ち溢れており、インターンで学生時代から働いていたこともあったので、仕事を少しは知っているというアドバンテージもありました。
仕事は厳しいながらもなんとか覚えていき、入社半年後には新店舗に配属になり、そこで役職に就くことができました。
しかし、ここで疑問が生じます。
休日出勤あたりまえの上司を見ていて、「こんなに頑張っていつ休むんだろう」と思っていました。
その半年後には別店舗に異動になり、そこではリーダーとして配属先の部門の責任者になりました。
朝は誰よりも早く来て、帰りは遅いという典型的な働きマンをやっていました。
休日も電話がかかって来て対応したり、人が足りない時は休日出勤をしたりと(代休、休日出勤手当など一切なしでした)、今思えばよくやっていたなと思います。
そんな働き方をしていたのですが、プライベートはというと
・たまにある休日は寝て過ごす
・長く付き合っていた彼女に愛想をつかれて振られる
・友人と会う時間すら取れない
など全く充実していませんでした。
そのほかにもいろいろと要因がありましたが、そんな生活をこの先やっていくことは不可能だ、と考え退職をすることにしました。
退職をした私に残ったのは疲労と少しの技術と少しのお金と虚無感でした。
しかしこの経験が私に大きな気付きを与えてくれたのでした。
役職手当が低い
役職についてからはさらに働く時間が増えました。
働く時間が増えたのならばその分、残業手当がついて給料は増えるはずです。
しかし上限が定められていて、上限以上は支給されませんでした。
私の担当だった部門の成績は良く、成績は常に上位にいました。
そこでも成績がいいからといって手当が増えるわけでもなく、ボーナスは少し査定よりいい程度。
当時は給料のことをそんなに重要だとは思っていなかったのですが、どれだけ搾取されていたんだ、と振り返ることができます。
会社のために身を粉にして働いていても、会社が決めた決まりの中にいるしかないのです。
役職という肩書きは、私にとってはただの重しにしかならなかったのです。
しかし、当時の私は「スピード出世ができた!これからもバリバリ働いて出世していくぞ!」と、キラキラした気持ちでいっぱいでした。
何もわかっていなかったのです。
責任ばかりが増えていく
リーダーとして働きだしてから、さらに仕事に追われるようになりました。
当時の部下は隙があればサボろうとする人間でした。
しかし、どんな人間でも同じ部門になった以上は、こちらが責任をとらなければなりません。
余計な仕事が増えてしまいました。
私は転職を数回しており、色々な上司を見てきました。
共通しているのは「とにかく仕事に追われていて、仕事を抱えている」ということでした。
上からは無理難題を言われ、下からは突き上げられる。
生き生きとしている人が少なかった印象が強いです。
リスクとリターンで考える
結論的には給料や待遇などの満足度が、責任や仕事量などの不満度よりも大きければいいわけです。
トレードも期待値を考えて、10万円のリターンに対して、30万円のリスクがあると考えれば仕掛けないですよね。
私の場合は昇進することによってもたらされるメリットが、色々なことを失うことのデメリットと比べました。
その結果、メリットがデメリットに比べて少ない、と判断しました。
トレードを始めてからは思考法が変わりました。
この「リスクとリターンで判断する」ということは色々なことに使えます。
まとめ
以上、ところどころ愚痴のような書き方になってしまったかもしれません。
しかし、自分なりの判断基準で決断したことなので後悔は全くありません。
私よりもやる気があり優秀な人材はたくさんいます。
それならば、私は組織で頑張るのではなく、自分が信じたやり方を精一杯やっていくということに決めました。
この記事は私の主観で構成されています。
私は役職なしを自分の判断で選んだ訳ですが、昇進することはすばらしいことだと思っています。
その頑張りが認められてステップアップできる訳ですから。
そして責任を抱えながら仕事をする上司たちのおかげで、各部門の業務は滞りなく遂行されています。
社会はみんなの努力の上で成り立っています。
ただその頑張るベクトルが違うだけです。
もちろん私も組織の中にいるので、仕事は望まれるもの以上のことはやる気持ちで働いています。
ただ「昇進する気はない」だけです。
これからの世の中はよりたくさんの働く選択肢がある社会になっていくと考えています。
その変化についていけるようなスキルをつけていくことがこれからの課題でもあり目標です。